2023.03.31

IREKO FLAT_改修工事

タイトル:IREKO FLAT
計画地 :茨城県常総市
主用途 :事務所 ( 倉庫から事務所への改修工事 )
構 造 :木造平屋建
施 工 :高島建設株式会社
期 間 :2023.01〜2023.03
撮 影 :valley

計画趣旨:
弊社計画建物IBARAKI FLAT(個人住宅)内の倉庫を事務所に改修した計画である。
この倉庫は、接道がある外庭と母家に沿う中庭の中間に位置する狭間の建物である。
計画当初は、家庭菜園の用具や、日常品の収納を目的としていたが、コロナ禍中の生活習慣の変化に順応させるべく、使途を変化させることとなった。
旧倉庫は南に正対し、間口4.5間・桁行2間の約9坪の長方形の平面を持つ平家建の建築物である。東西面には利便が利くシャッターが設けてあり、全開することで、通り抜けが可能となり『収納』と『通路』を内包する特徴的な形態となっている。
また、外部主仕上げは、屋根・壁ともに、隣棟する母屋と仕様を合わせた設であり、敷地内の調律を図った建築である。

上記を改修する方法論として、3つの方向性を見い出し計画を進めた。

1、内部をつくること

旧態の便宜上、内部は基礎の立上がりを含め構造表しの設であり、外部との連続性が強い内部であった。事務所に変化するに当たり断熱性や適性照度を確保し執務などに適した『内部』が必要となる。

2、採光を得ること

旧態は保管が主用途であったため、換気以外の開口は必要とせず、暗い内部であった。計画後は居室同然の使途となるため、新たに採光を得る開口が必要となる。

3、外装を変えないこと

母屋と調律を合わせた設である。採光を目的とした開口以外は計画範囲から除外し既存のまま残すこととする。

これらは、旧態の『収納』から、新たに『執務』へと本質を変化させるプロセスである。
改修建物は、北側に採光用の連窓を設け、東西のシャッターのある外壁面から内部にオフセットした内壁を計画することで、上記の諸条件を具現化した。
北側の連窓は採光と眺望を合わせ持ち、隣接する中庭・母屋へと視覚的な繋がりを見せる。また、内部の仕切壁を建具で計画することで、出入口をシャッターと扉(建具)の二重構造とし、外殻(既存外壁)を残し内部をつくることを実現させた。

定型的には『事務所』となるが、通り抜けができる日常動線や、賑わいを望む連窓であったりと、既存の環境と新たな諸条件を横断的に検討することで地方での働く型を模索した。

新しい働き方が囁かれている昨今、ここ茨城でもその風は吹いている。

古谷計画 古谷

 

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